【神神の契約】釈 

西風隆介による公式の謎本  

〈其の1〉埼玉県名の由来〝前玉神社〟

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  埼玉県知事「畑和」書による「埼玉県名発祥之碑」は、さきたま古墳公園の一角に建っている。だが「埼玉県名の由来」を読んでも分かるように、そもそもの由来は〝前玉神社〟なのだ。いわゆる政教分離が喧しい(かまびすしい)ので、神社にこんな石碑は建てられず、古墳公園に置かれているわけだ。
 由来の文面の最後「ここ行田市埼玉の地は、巨大古墳群の所在地であり(中略)おそらく埼玉郡の中心地であったと考えられ」とあるが、さきたま古墳群は〝北斗〟の領域だ。それはそれは恐い神様がおられ、 ふう! と寿命の蝋燭の炎を吹き消されたくはないので近隣に人は住んでおらず、ここは純粋に〝死者の都〟だったのだ。洒落た言葉でいうと〝ネクロポリス〟である。それを埼玉の中心地であったとみなして良いのかどうかは・・・・・ 

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  埼玉県名の由来〝前玉神社〟は、それはそれは見すぼらしい神社で、小汚い金網フェンスに囲まれ、鈴緒は絶対に触りたくないほどババっちく、神楽殿境内社などは廃屋同然だし、だ~か~ら「ダサイタマって言われんだよ」と巻き舌で毒づきたくなるほど貧相な神社である。ド田舎だから参拝客は少なく、政教分離を盾に県も市も助けてはくれないのだ。
 ところが、最近訪れてみると、見違えるほど小綺麗になっていたではないか・・・・・

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 神社のあまりの惨状を見るに見かねた埼玉県出身のビル・ゲイツさんが大枚寄付してくれたのだろうか? 
 いや、そういったことではないのだ。
 ある日ふらっと救世主様が現れたらしいのだ。それが、こちら様である。

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 数年前から前玉神社の境内に猫がたむろしだし、神社猫として世話していると次第に数が増えていって、毎月22日(にゃんにゃん)を猫の日として猫スタンプの御朱印を頒布し、例大祭の2月22日には神社猫総出の御朱印を欲しさに交通渋滞がおこってしまう、ぐらいに大人気を博しているそうなのだ。
 つぶれかけていた神社を、猫が救ってくれたわけだ。この猫たちも何かの化身に相違ない。