【神神の契約】釈 

西風隆介による公式の謎本  

「八雲立つ」仕組み

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 先の写真は、妻木晩田遺跡の西側丘陵から、西北西の境港市側を見ていたのだ(地図の赤い矢印がそう)。
 島根半島の突端は、美保関(みほのせき)美保の岬とも呼ばれるが、地図からも分かるとおり、山並みがかなり険しい。それが日本海に突き出ているのだ。
 風は、おおむね白い矢印の方向に吹く。そのことは、時間単位で変化するネットの天気図などを見ていただければ分かるだろう。
 日本海を渡ってきた風は多分に湿気を含んでいて、美保関の険しい山並みに当たると、雲をつぎつぎに生成させるのだ。その様子を、妻木晩田遺跡は、ほぼ真正面から見ているのである。そして沸き立った雲は、見ている側に、パノラマ状に(かつ放射状に)どわ~っと押し寄せてくるのだ。
 それがすなわち「八雲立つ」仕組みなのである。

 美保関と妻木晩田遺跡は約20キロ離れている。この写真では、境港市あたりは雨だろう。それが30分も経つと、こちら側にも雨が降り出してきて「全天虹の写真」が撮れた、といった経緯なのである。

 さらに古代は、写真の手前や左手側は、もっと海が広いので(イラスト参照)いっそう雄大な「八雲立つ」景色を眺めることができただろうと想像されるのだ。

 

                     つづく