妙見寺(および妙見宮)は稲城市百村にあって最寄り駅は京王相模原線の稲城駅だ。標高100メートルほどの小山にあるので、電車の窓からもそれとなく見えるが、当てずっぽで歩いて行くと道に迷うだろう。
創建は760年と古く、開山の道忠(どうちゅう)禅師は、埼玉群笠原郷の人である。すなわち、さきたま古墳群の築造者の末裔だ。また、古代多摩川にあった大麻止乃「津」から南東に約2・5キロの場所に位置し、さきたま古墳群・大國魂神社・北斗信仰の繋がりを証明する稀少なミッシングリンクでもある。
蛇より祭は、独特の祭祀だ。毎年8月7日に行われ、北斗七星になぞらえた村民7人が茅場(かやば)から茅を刈り出し、編み込んで長さ100メートルを超える大蛇を作る(頭に角を2本つけるので実際は竜)。これを妙見宮の約300段の石段にそって這わせ、頂上にある社殿をぐるりと取り囲むように尻尾でとぐろを巻かせてから、山下に置かれた蛇の頭部に僧侶が読経して〝魂入れ〟を行うのだ。
Shigeo Shmakura氏のYouTubeチャンネルにその様子が公開されている。