【神神の契約】釈 

西風隆介による公式の謎本  

「すもも祭」と「野原商店」乃しいか

  

 閑話休題
 7月20日大國魂神社の「すもも祭」だったので行って来た。とはいっても、スモモの販売所はせいぜい10店舗ぐらいで、他の9割以上が通常のお祭りの出店だ。
 すもも祭の起源は「源頼義・義家父小が奥州安倍氏平定(前9年の役)途中、大國魂神社に戦勝祈願をし(以下略)」と案内板にあったが、馬場大門けやき並木の由来や、大國魂神社の本殿と拝殿が真北を向いているのは源頼義・義家父小が奥州安倍氏平定のさいに建てかえたという話と同様、眉唾である。だから別途、ちゃんとした起源があるはずだと想像され、こちらも中国の故事に関係するのではと現在調査中だ。また、からす団扇やからす扇子の「カラス」も、五穀豊穣・悪疫防除・厄除といった、そんなありきたりな理由ではなく、やはり別途、起源がありそうな感じがする(カラスといえば、ふつう八咫烏だし・・・)。

  

 2017年の「すもも祭」の写真があったので、比較してみた。吊るされた袋の大きさが全然ちがう。貴陽は3割アップ、ソルダムは倍の値段、て感じだ。貴陽は木で熟させているそうで、そのまま食べられるが、ソルダムは数日追熟させてからだ。この2品種が美味しく人気だそうである。
 そして何と! 神社グッズが、しれっと値上げしていたではないか! この大幅値上げは今年からである。
 そして、寂しいお知らせがひとつ・・・・・

  

 大國魂神社のお祭りに行くのは、野原商店の乃しいかが目当てだったのだ。かれこれ20年ほど前から買っている。七輪で炙ったスルメイカをプレス機にかけて1メーター以上に伸ばしていく、究極のナチュラルフードで調味料などいっさい使われていない。そして都度店主と、ひとことふたこと話をした。「後継者がいない」とか「もう俺は歳だ」とか「今年で最後だ」とか、「まあそうおっしゃらずに来年も」と野原商店のフアンは沢山いて皆異口同音に言うのだった。けれども、今年のすもも祭に店主の姿は見られなかった。乃しいか屋そのものが無かった。文化がひとつ消えてしまったようで寂しい。